ばしょうの日常

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【ばしょうの鉄道講座 Part1】大回り乗車とは?

こんにちは、芭蕉です。

 今回から、新シリーズ?をスタートさせてみようと思います。その名も「ばしょうの鉄道講座」。自分が好きな鉄道をもっと知ってもらえたらいいなと思っていますので、よろしくお願いします。

初回である今回は「大回り乗車」について話していきたいと思います。

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目次

 

 

1.そもそも大回り乗車とは

そもそも大回り乗車とは何なのか、ここで一度確認しておきましょう。

大回り乗車というのは、「決められたエリア内で完結する移動であればどのルートで行っても運賃を最短経路で計算する」というJRのルールを利用して、あえて遠回りで電車に乗ることを言います。でも、あくまでも「大回り乗車」ということばは鉄道ファンから生まれたことばなので正式用語ではないのです。といっても、大体のJR職員には伝わりますけどね。

一個ずつ噛み砕いて説明してきましょう。

まず、「決められたエリア」とは、JRの言葉で言うと「大都市近郊区間」といいます。この区間には「東京」「大阪」「福岡」「仙台」「新潟」の5つがあり、どのエリアでも大回り乗車は可能となっています。

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東京の大都市近郊区間



このエリアの中で完結する移動であれば、どんなに遠回りしても運賃は最短経路で計算で計算する特例が適用されます。ということは、このエリア内の路線であれば、いくら遠回りしても値段が変わらずいっぱい電車にのれて最高!!というわけです。

2.大回り乗車のルール

安く長い距離を移動できる大回り乗車ですが、条件がいくつかあるので紹介します。

①同じ駅を二度通ってはならない

大回り乗車というか、普通に乗る時もそうなのですが、普通乗車券(A駅からB駅までのような通常の片道切符)では同じ駅を二度通るということは基本的に許されていません(これにも例外があるのですが、話すと長くなるので割愛します)。例えば、一度通ったルートを引き返すとか、一度通った駅に帰ってくるとかはアウトです。一筆書きのように旅をする必要があるのです。

そのため、大回りエリア内に帰れなくなってしまうような路線には乗ってはいけません!一度乗ってしまえば二度と帰ることができなくなってしまいますので注意が必要です。

②途中下車はできません

「駅の外に出て観光したいな」と思う人もいると思いますが、大回り乗車ではそれができません。大回り乗車を行えるエリア内(大都市近郊区間のことです)で完結している切符では、改札の外に出るためにはその駅までの運賃を払わなくてはいけません。ただ、改札の外に出なければいいだけなので、エキナカを楽しむことは十分できます。

ここで注意してほしいことがあります。それは「無人駅では降りるな!」ということです。無人駅では改札がないので、代わりに乗務員さんに切符を見せて降りる形になります。そうなると、列車に降りた時点で改札を出たことになるので大回り乗車は失敗してしまいます。大回り乗車の初心者はローカル線(田舎路線)のショボそうな駅ではなるべく降りないことを勧めます。

③有効期限は1日

どんなに旅をしようと思っていても、大回り乗車を行えるエリア内(大都市近郊区間)で完結する乗車券の有効期限は1日です。終電が終わったら改札から出なければならないので、大回り乗車をすることができなくなります。時間に注意して計画を立てて大回り乗車を行いましょう。

ただし、1日だけその有効期限が延びる日があります。12/31~1/1の間、JRでは終夜運転を行っています。そのため一部の区間では終電が存在せず、ずっと改札の中にいることが可能となるのです。これをうまく使って大回り乗車をすることもできます。ちなみに、関東の最長大回りはこの日しかできません。

④定期券は使用できません。ICカードも控えましょう

大回り乗車に定期券は使用できません。そもそも定期券自体、「A駅からB駅をこのルートで移動することが自由になる」というものなので、そのルートを外れてしまってはいけないのです。

また、ICカードも控えましょう。大回り乗車は規則上合法なのですが、グレーゾーンでもあります。安いお金で長距離を移動しているので仕方ありません。そのため列車に乗車中に乗務員さんから検札を求められることがあります。そのときにICカードでは「どこからどこに向かっているのか」わからないので面倒です。切符なら最低限スタートした駅はわかるので、乗務員さんに「大回り乗車です」と言えば大体通じます。

また、大回り乗車を長時間(自分の経験では5時間)続けていると、改札を出るときに自動改札機が防犯上の理由で閉まることがあります。その際は駅員さんに言って外に出してもらわないといけないのですが、その時もICカードでは確認するのが面倒になってしまうのでやはり切符を買って大回り乗車を行うことをお勧めします。

 

3.大回り乗車の例

さて、ひととおりルールを話しましたが、おそらく説明するだけでは理解が進まないと思うので実際に例を使って説明していきます。

 

 

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上の図を見てください。これは東京の大都市近郊区間を拡大した図です。

これから「新宿〜東京」で大回り乗車をするとしましょう。

最短経路は中央線を使っていくことです。大体15分で到着します。運賃は200円です。

ですが、このルートは大都市近郊区間内なので、大回り乗車ができます。

一番わかりやすいのは、山手線に乗ることだと思います。池袋や上野を経由して行ってもいいですし、逆に渋谷や品川を経由するルートでもできます。所要時間はどちらでも大体30分。あえて大回りのルートを選んでも、運賃は変わらず200円。ちょっとお得ですね。

もうちょっと伸ばしてみましょう。

今度はこのルート。こんな感じです。

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新宿→(中央線)→八王子→(八高線川越線)→川越→(川越線)→大宮→(京浜東北線)→南浦和→(武蔵野線)→南船橋→(京葉線)→東京

かなりごちゃごちゃしてきましたが、これも200円でいけます。多分4時間くらいかかるルートですが、これでもOKです。

こんな感じで、とりあえずは「一筆書きで交わらないようにする」「大都市近郊区間の外に出ない」ことに注意していただければ大体大丈夫だと思います。

4.大回り乗車でできること

大回り乗車は改札から出れなかったり後戻りできなかったりと言った不便さもありますが、今から説明することを利用することでより大回りを楽しむことができます。

それは大回り乗車で「特急・普通列車グリーン車に乗る」ことです。

大回り乗車では「最短経路のルートではなく特急区間の運賃を払っていないので特急に乗ることはできない」 と考える人もいるかもしれませんが、あくまでも「本当は乗った分の運賃を払って欲しいけど、このエリアの中なら最短経路の運賃で計算してあげるよ」というのが大回り乗車の考えなので、特急や普通グリーン車に乗っても問題はありません。ただ、もし検札が来て乗務員さんに乗車券を見せるように言われたら大回り乗車であることを申告する必要があります。

特急列車を使えば普通列車よりもいい設備で速く移動することができますし、普通グリーン車湘南新宿ライン常磐線横須賀線などについている二階建ての車両のやつです)を使えば旅を華やかにすることができます。大回り乗車で運賃を節約している分、こういうところに課金するのもありです!

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普通列車グリーン車は二階建ての部分(1階と2階)と平屋(車端部)の部分がある

ただし「新幹線に乗る」のはJR東日本のエリア内(東京・新潟・仙台)ではできません!!新幹線に乗るためには運賃も支払う必要があります。ちなみにJR西日本(大阪)であれば可能ですが、大回り乗車では自動改札をくぐれず有人改札を通らなくてはいけないので少し面倒です。

5.まとめ「大回り乗車乗り鉄旅行を楽しもう」

今回は「大回り乗車がどういうものなのか」について紹介しました。大回り乗車というとかなり長距離乗らないといけないと感じる人もいるかもしれません。しかし全然そんなことはなくて、いつも乗っている路線から少し遠回りして移動するだけでも大回り乗車となります。ルールさえ守れば誰でも気軽に楽しめると思うので、普段乗らない路線にチャレンジしてみたり、他県の駅弁を食べに行ったり、自由に旅行して欲しいです!ちなみに始めにも書きましたが、僕は受験生時代に大回り乗車を使って電車の中で勉強していましたよ( ^ω^ )

この記事を見て少しでも大回り乗車に興味を持っていただけたら幸いです!!最後までご覧いただきありがとうございました。

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