ばしょうの日常

社会人一年生のひとりごと

食事恐怖症(会食恐怖症)と「ヒステリー球」について

あなたはご飯を食べる時に「喉が詰まって全く食べれなかった」という経験はあるだろうか?

お腹は空いているのに、食べたいのに、喉が詰まって今にも吐き出しそうになるという経験が。

私はある。

これはあくまでも自分の個人的推論だが、このような食事恐怖症に陥ってしまう原因は主に「会食恐怖症」と「ストレス」の2つがあると考えている。

まずは会食恐怖症についてである。

会食恐怖症は、人前で、または誰かと食事をするときに起こる症状である。人前で食べるということに対して異常な緊張感を持ってしまい、食べ物が飲み込めなくなってしまうのが主な症状である。僕も人前で食べる時はこの症状が起きてしまうことがある。

会食恐怖症が起きてしまう個人的理由は2つある。

1つ目は、人と比べて食べるのが遅いということである。友達や家族と一緒に食事をするときは、だいたい自分が一番遅く食べ終わる。そうなると、外食だったら他の人は自分が食べているのをずっと待ち続けなければいけなくなくなってしまう。このとき自分は、「人を待たせるのは失礼だと考えているので、とにかく急いで食べなければ」と極度の緊張感に襲われる。一緒にいる人に「食うの遅えよ」と思われていないかだったり、周りから遅れている自分の姿を考えたりすると、食事に対する恐怖を感じてしまい、余計に食べるのが遅くなってしまう。

この症状は、たとえお店で自分一人だけで食べている時にも起きる。後から入ってきたお客さんよりも食べるのが遅くなってしまい「こいつ、いつまで食べてるんだよ」という目で見られるのも怖い。

2つ目の理由は、過去のトラウマである。自分は小学四年生くらいの時、家族と外食に行ったら吐いてしまったことがある。それ以来、食べるたびに「人前で吐かないだろうか」と心配してしまう。これも外食に行ったりするときによく起こることである。

特に今は、少しでも咳やくしゃみをするだけで他の人に目をつけられる時代だから、「問題なく食べなければ」と思い、余計に緊張する。

 

続いて、鬱やストレスによる食事恐怖症について書いていきたいと思う。

これは、極度のストレスなどが原因で食事が喉を通らなくなってしまうことで起こる。劇やスピーチの発表会などで緊張して喉が詰まるような気持ちになったことがある人はいるかもしれないが、それはあくまで一過性のものだ。しかし、ストレスはそう簡単になくなるわけでもなく、ずっと続く。先程の会食恐怖症では、食事が終われば喉のつまり感は治ることが多いのだが、この場合は違う。日常生活の中でもずーっとこの詰まり感に耐えていなければならず、もちろん食事時にもだ。

 

これらの、ストレス等によって喉になにか詰まっているようなイガイガ感や吐き気、食べ物を飲み込むのが辛いといったことを起こす症状は一般に「ヒステリー球(咽喉頭異常感症)」と呼ばれている。この症状の困った点は、症状が当人以外わからないことである。「吐き気がする」といっても風邪ではないので熱はなく、外見だけではわからない。さらに、この症状は精神的なものだから、内科や耳鼻科の先生はこの病気を診断することはできない。この症状が他人に伝わることは、基本的にない。

一般に、ヒステリー球が起こる原因はストレスや自律神経の不調だとされている。確かに、自分も会食恐怖症の時やヒステリー球の症状が起きているときは体が熱を持っている感じやあったり、心臓がいつも以上にバクバクしていたりすることが多い。

治療方法としては、漢方によるものが多い。「半夏厚朴湯」というものが効果的で、喉のつまり感を押さえたり、自律神経を安定する効果がある。僕も辛い時はこれを飲んでいる。ただ、人前で薬を飲むと人を心配させてしまうし、気にかけられるのも緊張するから、目に見えないところでこっそり飲んでいる。

自分がヒステリー球を初めて起こしたのは高2の4月だった。新しい環境になかなか馴染めなくて、病んでいた。特に昼に弁当を食べる時が辛くて、喉が詰まって50分かけて1/3くらいしか食べれない日々が続いた。友達からは「弁当食うの遅いな(笑)」と言われたが、「緊張で食べれない」なんて言い出せなかった。いろいろ調べてみたら、この「ヒステリー球」という病気を知った。この時は薬を飲んだり、新しい環境に慣れたりしたおかげで治すことができた。

ただ、病んでいる時や、自分の周りの環境の変化が起きた時はまだこのヒステリー球は襲ってくる。時には突然にやってくることもあるから怖い。自分はヒステリー球になったら「疲れているサインを体が発している」と考えて、ゆっくり休むようにしている。

 

結局、これらは個人の問題で他人にどうこうしろとは言えないのだが、せめて「こういう人もいるんだな」くらいに感じてくれれば幸いである。心配されると逆に緊張する人もいるので(僕がそうである)、ほどほどに放っておいていただくというのもありではないかと考えている。

まあ、他人からはわかりにくいものなのでどうすればいいとも言えないのが現状だが。