ばしょうの日常

大学生の日常・考えたことなどを書いてます。

【ドラえもんアニメ】「天の川鉄道の夜」はいろいろなことを考えさせてくれる。

2022年の大晦日ドラえもんの大晦日スペシャルで「天の川鉄道の夜」という作品が放送された。

どうやら2009年に一度放送されているもので、今回は再放送とのこと。

私も昔にこの回を見たことがあって、その時はとても感動しつつも考えさせられた。今回改めて試聴して、いい作品だと再認識することができた。

私がこの作品に感動したのは、単に自分が鉄道オタクだからっていうこともあるだろうが、それ以外の人にとっても面白いものなのではないかと考えたため、簡単にではあるが紹介しようと思う。

ちなみに、今回紹介するものはアニメバージョンのため、原作とはやや異なっている部分があることをご了承いただきたい。

(ネタバレ注意です)

 

 

あらすじ

かなり省略して説明する。

 

のび太が色々あって、ドラえもんが持っていた「天の川鉄道のSL乗車券」を手に入れて(盗んで)、それを使って旅に出る。なお、乗る時にたまたま一緒にいたしずかちゃん、スネ夫ジャイアンも一緒に乗ることになる。

このSLは宇宙上に線路があって、そこを走る路線なのだ。

そのSLなのだが、車内にお客さんは一人としていない。なぜならば、どこでもドアが発明されてしまい気軽に移動することができるようになったからである。そのため、もはやSLで移動する人はいなくなってしまったのである。そして、のび太が乗るこの列車をもって、SLは廃止となることになっていた。

その後、ジャイアンスネ夫が帰りたいと言い出しなんだかんだ起こし、さらにそこにドラえもんが駆けつけて解決するとまあ色々すったもんだある。

自体がいったん安定したあと、改めてジャイアンスネ夫ドラえもんが来たからどこでもドアで帰ろうとするが、のび太は終点まで乗っていきたいと主張する。

なぜならば、のび太(あとしずかちゃん)はジャイアンらのトラブルが起きる前に、機関室(蒸気機関車の先頭車)で乗務員のブリキとこの機関車の話をしていたからである。そこでのび太は乗務員からこのSLが昔は賑わいのある車両だったことやこの車両に対する思い入れを聞かされ、とても感動していたのだ。

そして、じゃあ結局みんなで終点まで乗るか、ということになる、、、のだが、ここでまたトラブルが起きる。

近くで強力な電磁波が発生し、隕石も飛び始めたため緊急事態となる。どこでもドアで避難を試みるも、電磁波のせいでそれもできない。さらに、近くを走っていた高額な豪華リゾート列車(こちらは人がたくさん乗っている。)が隕石にぶつかり、SOS信号を出していた。

そこでのび太がこのリゾート列車に乗っている人を助けて、それで自分たちも避難しようと言う。スネ夫はやっぱり反対したが、それ以外の人は全員賛成し、まずはリゾート列車の救助に向かう。

なんとかリゾート列車の乗客全員をSLに乗せ、出発する。この時は状況だからというのもあったが、多くのお客さんがこのSLに乗ってくれたため、乗務員はかなり嬉しそうだった。

さらに、SLの進む先に巨大隕石がやってきて、今にもぶつかりそうになる場面になる。そこで、のび太がその隕石を破壊するビームを正確に撃ち(才能を使っている)ヒビをあける。そしてその隕石にSLが突っ込み、気合いでなんとか抜けることができた。

最終的に、近くの星に到着することができ、SLは役目を終えることとなった。最後はのび太らが涙を流しながら、回送列車として過ぎていくSLを見送る場面で終わる。。。

 

というものだ。

 

詳しいことは外部サイトのものも併せてみていただきたい。(ピクシブ百科事典)

https://dic.pixiv.net/a/%E5%A4%A9%E3%81%AE%E5%B7%9D%E9%89%84%E9%81%93%E3%81%AE%E5%A4%9C

 

面白いところ

個人的に面白いところとしては、最後の衝突する隕石に向かってSLが突っ込むところだ。

これは僕の鉄オタ目線がかなり入っているが、僕は鉄道がいろんな人の思いを乗せて走っていることが特に好きだ。それで、今回のお話でも隕石という難敵に対して、人々の思いを乗せたSLが対峙し、乗り越えていくところに鉄道の力強さを感じた。みんなのために走り抜く精神というか、そういう部分が非常に感動した。

 

考えさせるところ

先ほどの面白いところと重なる部分ではあるが、のび太は隕石にヒビをあけるという重要な役目を行った。簡単に思えるかもしれないが、しっかりと中心に当てないとちゃんとヒビが入らず、突破することができなかったかもしれないのである。

のび太は普段ドジでノロマでいいとこなしだが、何か一つでも才能がある部分を遺憾なく発揮した。そのシーンを見て、何かができていなかったとしても、自分のできることでみんなの役に立とうとするシーンがいいと思ったのである。

僕は人より劣っている部分を見つけてネガティブになることがあるが、今回のシーンでそんな自分でもいいんだ、と勇気を与えられた。そう感じる人もきっといるのではないか。

 

また、これが今回一番言いたかったのだが、今回のお話は現在の日本の鉄道の姿でもあると感じた。

今回のお話ではどこでもドアの誕生によって廃止されるSLというのが話の根幹にある。また、豪華リゾート列車が出るのは実はアニメだけなのだが、その列車は多くの客を乗せていた。

つまり、技術が発達することによって移動が楽になった反面、なくなっていくものの姿、そして、その中でもあり続けられるものの存在がこのお話には描かれているのである。

現在の日本では新幹線が発達したことにより移動がかなり快適になったが、その反面、新幹線と並行する在来線の運営が厳しくなっていたり、誰も乗らない赤字ローカル線が危機に追い込まれていたりする。しかし、赤字ローカル線でもそれを観光資源として活用することで生き続けている鉄道会社が存在するのもまた事実である。

今回のお話を通じて、「果たして将来鉄道はどうなってしまうのだろうか」と思った。これからもきっと技術革新は起き、気づけばどこでもドアなるものが生まれてしまった際、鉄道はどこに向かうのか。普通に移動するためだけの列車は廃止になっても、観光として利用できる路線なら残るのだろうか、などさまざまなことを考えた。

そして、「技術の発達が必ずしも幸せを生むものではない」という考えにも至った。これは現在の日本の鉄道事情を見た方がわかりやすい。

ここ最近、新規に新幹線が色々開通しているが、そこには必ず「並行在来線問題」というものが絡んでくる。

例えば、北陸新幹線が開業した際に、新幹線と並行して走る在来線(北陸本線とか)はJRから利益が見込めなくなるとして、地方自治体と協議の上別の会社に路線を移管したり、場合によっては廃線にすることができる。それでもし別の会社に移したとしても、大半の乗客は新幹線に奪われるため利益がなかなか上がらず苦しむ企業や自治体が現れる、なんてこともよくあるのである。また地域の利用者からしても、会社がJRではなくなることで運賃が値上げされたり、運行本数が減少したりといった不都合を受けることもあるのである。

このように、新幹線の開通が必ずしも人々を幸せにしているかといったら、そうでもないのである。

もっというと、寝台列車の廃止は新幹線の影響も一部受けている。

ドラえもんの世界では、どこでもドアの発明によりSLはいらないもの扱いされていた。時代の流れもあるので仕方がない部分ではあるのだが、それでもどこでもドアが発明されることで本当に人々の暮らしが良くなるのかと聞かれると、僕は疑問である。まず、鉄道で飯を食っていた人はどうなるのか、鉄道ファンはどうなるのかといった問題がある。そして、移動時間が短くなったら、今度はその短くなった移動時間を有効に使おうと余計に予定を入れたりすることになるだろうが、それがやりたくもない仕事とかだったらどうだろうか。

技術が改良されて時短になったところで、結局そのあいた時間に別のことをやったり…と、自由な時間が増えるわけではないのではないだろうか。

果たして人間はどこまでいったら幸せにたどり着けるのだろうか…そんなことも少し考えた次第である。

当分来ないであろう未来のことなので、どうなるかは全くわからないが。

 

 

まとめ

今回はドラえもんの「天の川鉄道の夜」という作品を紹介した。

正直、自分の書いた感想はバーっと書いたためかなりメチャクチャな部分があると思う。「なんとなくこういうことを考えたんだ」くらいのことを感じていただければありがたい。

 

興味を持っていただけた方は、ぜひ試聴していただきたい。

【2023年1月7日17時まで】であれば、TVerで観れると思うので、下のリンクからぜひ。

https://tver.jp/episodes/epyc8oxalm