ばしょうの日常

社会人一年生のひとりごと

初めて大学に行った

先日、健康診断で大学に行った。オープンキャンパスで一度だけ行ったことはあったが、大学生になって大学に行くのは初めてである。

行く前は緊張でずっとドキドキしていた。

大学に着いてまず感じたのは独特の雰囲気だった。模試とか受験とかで他の大学に行ったことはあったが、その時とはまた違った雰囲気。

そして大学はとにかく広かった。いつもだったら多くの学生で賑わっているのだろうが、今はほとんど人がいなくて寂しげだった。オンラインに慣れすぎてしまったのか、この大学に来て学ぶ自分を想像できなかった。実際大学の建物がハリボテにも見えてしまった。

健康診断の会場に向かって歩いていると、僕の後ろに二人で来ているだろう人たちがいた。高校からの友達なのか、それとも大学に入ってからTwitterなどで知り合ったのだろうか。9割くらいの人は一人で来ていたが、時々友達と一緒に来ている人たちもいた。僕は当然一人ぼっちだった。

健康診断といってもやることは内科と身長・体重測定とx線の検査であって、15分くらいで終わった。次に生協の組合証を取りに行った。生協の店の入り口に「祝 ご入学」と書かれている貼り紙を見つけた。そうだ僕は大学に入学していたんだ。再認識した。確かに入学式もなかったし、大学の人と一人たりとも会ったことがなかったから、「入学おめでとう」なんてほとんど言われてなかった。でも9月に「ご入学おめでとう」というのはやっぱり変な感じがする。

大学ではサークルの新入生歓迎会もやっていた。先輩方がいろいろブースを出してはいたが、正直人がいっぱい来ているとはいえなかった。僕もパンフレットはもらったが、特に気になるところがなかったのでお話を聞くことはなかった。結局mustのことだけやって大学から帰ってきた。

 

さて、現在このオンライン授業が続く状況に対して学生側からは「学費を下げろ」「対面授業をしろ」という声が多く、逆に大学側は「大学の設備維持のために必要」「大学のような広い環境で感染者が出ようものなら手の打ちどころがない」という意見もあり、大学と学生の意見が対立している。ただ、どちらの言い分も理解できる。施設を使っていないのに、十分な環境で学びができていないのに学費を通常通り払わされることに対する怒りは当然である。僕だって嫌だ。ここ最近、学費を払うことで頭がいっぱいになってしまっている。ただ、大学側の主張もよくわかる。急にオンライン授業を余儀なくされ、Zoomの会社と多額の契約をしたり、オンライン学習環境を整えたり、お金がかかっているはずである。しかも普通に建物の維持費はかかるし、なんといっても大学で雇用している生協の人や職員を食わせていかなければならないのだから、大学の経済状況も大変になっているのだろう。学費を減らしてあげたいけど、それどころではないのではないだろうか。

現在の先の見えない世の中では、どうしても攻撃的になってしまったり、逆に保守的になってしまったりする、実に辛い社会である。でも、お互いが争い続けていては何も変わらない。この危機によって、改めて大学について考えるきっかけとなった。これからどのように大学が変わるのか。長期的に少子化が進む中で大学はどう生き残っていかなくてはいけないのか。大学は今、変化を求められている。そしてそれは、もっとみんなで考えていかなければならないだろう。

果たして学校側と学生側のお互いが和解できるような日は来るのだろうか。