ばしょうの日常

社会人一年生のひとりごと

オリンピック、僕は観てみたい。

東京オリンピックは苦難の連続である。僕が知っているものだけでも、

著作権ロゴの問題
・国立競技場の建設資金問題、その他競技場の簡素化
・度重なる都知事の辞任
・新型コロナによる一年延期
・女性蔑視発言
・外国人観客を原則入れないことによる収支問題

などが挙げられる。

特に「新型コロナの影響」というものがとても重く、大会は一年の延期、開会式は簡素化となってしまった。今もコロナが収まっているわけではなく、むしろリバウンドの傾向も見られており、この状況でオリンピックを開催することがとんでもなく大変なことは想像に難くない。先日には聖火リレーがスタートしたが、本来ならばもっと盛り上がるはずのこのイベントさえも、感染防止の観点からさびしく行なわれている。

金銭的な部分でも不安は残っている。国立競技場の建て替えに始まり、他の競技場にもお金のかけすぎで批判されたこともあった。国や都が莫大な資金を投下していることを非難している人もたくさんいる。さらにコロナの影響で、本来訪れるはずだった外国人の方は来れなくなってしまい、インバウンドの需要は消えてしまった。感染対策の観点で会場に行ける人数も大幅に少なるとみられ、オリンピックに使った資金を取り戻せることはもう不可能と言ってもいいだろう。赤字で終わることはもう見えている現実であり、「この状況でオリンピックを開催しない方がいいのではないか」という声も多い。

 

しかし僕は、たとえこのような状況の中でもオリンピックを辞めてほしくはない。

そもそも、2013年に東京オリンピックが決まって、悲しんだり憤慨した日本人がどれくらいいるのだろう。あのときは、ほとんどの人がオリンピックの開催に喜び、期待していたと思う。震災からの復興としてのオリンピックはとてもいいと僕は個人的に思った。「おもてなし」という言葉もその年の流行語大賞に選ばれたくらいだから、オリンピックが人々の関心を集めたことは明らかだろう。今はオリンピック開催に消極的な人が多いが、もしコロナやその他の問題がなかったら競技を見たいと思っていた人は多いのではないだろうか。

また、お金の問題も山積みである。これまでオリンピックに向けて資金を注ぐことに対しては何度も批判意見があった。「無駄な出費なのではないか」と。コロナの影響でその問題はより膨らんだわけだが、それで歩みを止めてはならないのではないか。お金だけでオリンピックをつぶし、人々に一生の一度ほどの体験ができないようにするのか。

話は脱線するが、人はいつから金が全てになってしまったのだろうかと思う。日本が裕福な時代はもう終わった。今では物価が東南アジアの各国よりも安いものだって存在する。賃金は低くなり、日本人の15%は貧困とも呼ばれている。ちなみに僕は大学1年の授業で、日本がいわゆる「一億総中流社会」と呼ばれる時代にも日雇いの劣悪な環境で働いていた人の存在を知ることができた。上の階級の人が富を独占し、下の人がほぼ永久的に貧乏人で一生を終えるのは、昔も今も変わっていないし、なんならその「貧乏」の割合が増えているかもしれない。「夢は誰でも語れるが、金なくしては夢は生まれない」のだと、僕は考えている。

話を元に戻そう。

もう一つの理由は、「アスリートの方々がかわいそう」ということである。オリンピックで一番輝く存在はなんといっても競技をするアスリートの方々である。彼らの「オリンピックに出たい」という気持ちは本物だし、他人がどうこういう問題ではない。

また、アスリートにとって1年というものは選手生命を左右するものである。オリンピックが延期されることを受け、オリンピックに出る予定だったが引退した選手もいる。このコロナ禍で辛い思いをした選手も数多く存在する。夏季五輪の競技ではないが、フィギュアスケート羽生結弦選手さえも自分を否定してしまうことがあったそうである。2021のオリンピックを待っている選手たちは日本だけではなく、世界中にいるはずである。そんな方々が輝く場所を奪ってしまうのはどうなのだろうか。

4/4、白血病から復帰した水泳の池江璃花子選手が、日本選手権の100mバタフライで優勝し、東京オリンピックの選手に内定したというニュースが流れた。重い病気を克服し、努力を続けた成果の賜物のはずだ。どんなに辛い状況でも、必死に努力している人は本当に尊敬する。そんな彼女の懸命な努力を見捨てることは、僕はしたくない。

 

ここまで書いてきたことはあくまでも僕の持論なので、読んでいただいた方にはオリンピックの開催是非について自由に考えていただいて構わない。感染防止の観点からやめた方がいいのではないか、という意見も全く間違ってはいないと思う。

ただ、僕はたとえこんな状況だったとしても東京オリンピックを見てみたいし、アスリートの方々に輝いて欲しい。今後コロナの感染状況がどうなるか分からないが、僕は東京五輪を期待して待つことにしたい。

 

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。